ぶらぶらマーケティング日記

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読書日記 「ならぬ堪忍」山本周五郎著 新潮文庫

 みなさん、こんにちは。cloud141です。今回は読書の話題です。

 藤巻プロパガンダで有名な藤巻健史さんがブログの中で紹介していたので興味を持ちました。本作品は山本周五郎の短編集です。この中で表題の「ならぬ堪忍」だけ読みました。3ページほどの短い作品ですが、とても考えさせられました。社会人にお勧めしたいですけれど、本当は高校生ぐらいの内に教科書か何かで薦められれば良かったかなとも思います。「ならぬ堪忍、するが堪忍」といいますが、もうこれ以上我慢できない、これ以上の侮辱には耐えられないなんていうのは実は小さな自分のプライドの話であって、本当に大切な「より大きな目的」があるのなら、これ以上耐えられない侮辱にもあっさり耐えられるものなんだとわかります。社会に出てみれば、自分の思いだけではなく、周りの人の都合や時代や社会の状況もあって、自分が正しいだけでは、なかなか思うように進まないことに気付きます。いっときの自分のプライドが挫かれても、「より大きな目的」があれば耐えられるし、むしろ「より大きな目的」を達成するほうが大事なんだとわかります。実際、皆さんそうやっています。家族のために苦手な上司に調子に合わせたり、無茶ぶりの仕事をこなしたり。。。それも自分のプライドのためというよりは家族への愛があるから耐えられるのだと思います。(というか、そう妹に叱られました。)こんな素敵な叔父上がいたなら私の人生ももっと変わっていただろうと思います。

 それとこの作品が1945年4月に講談社が発行していた少国民向けの戦意高揚雑誌「海軍」に掲載されたというのにとても驚きました。お国のために死ぬことを美化されて(洗脳されて)いた時代に、検閲や言論統制を通り抜けて、小説の形で命の大切さを訴えたのは勇気があると思います。山本周五郎吉川英治と同じく小学校しか出ていませんが、むしろ高学歴でない人のほうが日本人の心情に沿った小説が書けるような気もします。

 

ならぬ堪忍 (新潮文庫)

ならぬ堪忍 (新潮文庫)

 

追記) 今話題の鴻上尚史さんの作品にも通じるものがあると思います。美談のようで

実はそれって本当は思慮が足りないだけだったのでは、と思ってしまうのです。